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【レビュー】愛と殺人の物語『眠れぬ羊と孤独な狼−A Tale of Love,and Cutthroat −』

基本情報・ご紹介

製品タグ BGVあり / グロあり主人公ボイスあり / 廉価版あり
タイトル 眠れぬ羊と孤独な狼 −A Tale of Love, and Cutthroat −
ブランド CLOCKUP
発売日 2017/12/22
ジャンル ロマンノワールADV
原画 のりざね
監督
企画
シナリオ
阿久津亮
昏式龍也
昏式龍也 / 勝山龍太郎
作品傾向 ハードボイルド / 純愛

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**ご紹介**

 2017年12月末に発売された『眠れぬ羊と孤独な狼 −A Tale of Love, and Cutthroat −』は、”CLOCKUP“からのリリース作品です。時折過激な描写のある本ブランドですが、本作も該当するためグロ等苦手な方は注意です。

 ジャンルはロマンノワールADV。ロマンノワールとは犯罪者を主人公に据えた作品が多いのが特徴のハードボイルドで、主人公の設定は殺し屋。その設定とパッケージ絵、「愛と殺人の物語」というキャッチコピーに強く惹かれた作品です。

ヒロイン/サンプルCG

※サンプルCGはFANZAに飛びます
上からサンプル、ヒロイン名/キャスト、キャラ属性、イベント内容
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採点・グラフ

レビューについて

 

採点ジャンル シナリオ型
ジャンル係数 35:20:20:10:15

採点項目 点数 補正後
テキスト
シナリオ
16/20 28/35
キャラ 18/20 18/20
ビジュアル 17/20 17/20
エロ 15/20 7.5/10
演出
システム等
16/20 12/15

総評

**総評点** 82.5点

シナリオ・テキスト

 「俺は、今夜も眠れない―」

 新宿、歌舞伎町を舞台にラブホテルの住み込み清掃員として働きながら無気力な日々を送る主人公’村木武夫’。彼は極度の不眠症で、人を殺さなければ眠れないため、時折暴力団から与えられる殺しの仕事で何とか眠りにありつける生活をしていた。

 そんなある日、デリヘル嬢のヒロイン’あざみ’と出会い、彼女を抱くことでかつてない安眠を得た主人公は彼女を手元に置くと考える。しかし、あざみは暴力団から追われており、彼女を手に入れることは組織に刃向うことと同義…というあらすじです。

 紹介にもありましたように、凌辱や暴力などのグロ等過激な描写のある内容を含むので苦手な方は注意。しかしながらそういったシーンがメインではなく、あくまでも主役はシナリオです。本レビューでもシナリオゲとしてレビュー致します。

 プレイ時間は10時間ちょいと物量が少ないところは少々残念。代わりにと言っては、テンポよくダレはなし。端的であることは確かです。

 実際どのようなものか存じませんが、裏社会の雰囲気をリアル調に描いている印象を受けました。ト書きはト書き、会話は会話と区別されたテキストで丁寧に状況説明。登場キャラクターの視点を適宜移し替えることで、より一層この物語に起こる事件が分かりやすく、ストーリーが進む実感が持てます。

 コメディ要素が全くないのも本作の特徴です。アングラな舞台背景におふざけは不要。ロマンノワールなだけにキャラクターとの楽しい掛け合いとは違う、暗い雰囲気を楽しみたい・刺激を求めている方には是非お勧めです。

 殺人などの暴力的設定背景なので、基本気持ちの良いお話ではないのですが、その世界設定だからこそ対比が光ります。暴力的残酷な世界の中での「愛」の物語。年齢制限要素を余すことなく、これぞ18禁PCゲームです。

 最終ルートの最後の選択肢も非常に印象深いです。ネタバレを含まない程度での説明も難しいですが、どの選択も選び難さがあり、全ての内容がここに集約。これこそ選択肢といったそんな印象が取れました。

本作に惹かれる点について(冒頭のネタバレ有)

 主人公がなぜ不眠症に苛まれ人を殺すのかというと、死の恐怖から殺人という行為をもって自分が強者だと確認するためで、いわば生命維持活動です。対してメインヒロインの’あざみ’はいわゆる殺人鬼。驚異的な身体能力の持ち主で、対象は選ぶものの殺人という行為については意に介しません。

 ヒロインの存在は主人公にとって圧倒的強者。その彼女を偶然にも性的に抑え込めたことが人を殺さずとも彼の不安を拭い去り、’あざみ’も猟奇的なところを含め抱いてくれる’村木’に対し安心を得ます。

 両者利害的に一致したそんなアウトローな似て非なる男女の行く末が気になるところが一番の魅力的ポイントとなります。

キャラ

 本作唯一の癒し的要素を持っているのがこのメインヒロインの’あざみ’です。立ち絵はお世辞にもめちゃくちゃ可愛いわけではありませんが、明るく懐っこい性格の持ち主。恋愛脳で頭がユルく、まさしくギャルといったキャラクター。主人公に対して絶対的好意を寄せ、物理的にも距離を縮めようとする仕草は健気でした。

 メインヒロインはこの’あざみ’しかおらず、ほかサービスシーンのあるキャラクターはサブキャラ的位置で、どの√も’あざみ’に関するエンディングになります。

 主人公の’村木’は、殺し屋ということもあり基本冷静寡黙。しかし危機に直面すると焦燥したりと人間臭さはあり等身大的。友好な’あざみ’に対し村木は排他。対照的な彼らの掛け合いも魅力的でした。

 ほか登場キャラクターも役割に徹しており、ヤクザは極悪非道。悪徳刑事は金にきたなく、チンピラは阿漕で美化されていないところは好ましくありました。

ビジュアル

 女性キャラは可愛く綺麗に描ける原画さんは多いものの、男性キャラを醜く描ける原画さんは少ない中、“のりざね”氏のキャラクターデザインは、老若男女醜悪華麗に隔たりなく描かれ本作風の相性は非常に良く、背景は実際の風景写真を加工したCGで、現実的な世界観を表現しています。

 基本CG枚数は74枚とフルプライスの個人的基準値80枚には届かず。物語が短い分、特に少ないといった印象は進行中感じはしませんでした。

 一番の魅力は男性キャラデザ。刑事に老紳士。チンピラにヤクザ。一目瞭然な風体を描ききるデザインは好印象。やはり、男性キャラの上手い原画さんは世界観をより幅広くさせているように思います。

エロ

 シーン総数は全29シーンでほとんどが1CGのイベント。凌辱系が1/3程度でサブキャラが主。ヒロイン’あざみ’と主人公とのイベントが全体の1/2。残りサブキャラと主人公とのイベントになります。

  この凌辱系イベントは手心なしの超ハード。心抉られるという意味ではクオリティの高いように思います。リョナ系には疎いですが、個人的には”アリスソフト”のバットイベント以上にその悲惨さ・残忍さが伝わり、進行中は心苦しく中途半端に終わらせないという点では上々。胸が引き裂かれそうにはなりましたが作品としての深みを出す印象です。

システム/演出等

 グロやスカトロ演出等には緩和システムがあります。概要としてはイベントCG一部を塗り潰すといったもので、該当シーン自体短縮・スキップというわけではありません。これら含んでの『羊狼』なので致し方なしに思います。

 ほか、シーンジャンプ機能・サービスシーンのBGVはあります。Hシーンと通常ボイスの音量・ミュート等個別に設定でき、エロシーン時の男性ボイスカット等は可能。UI周りは比較的優秀です。

総括

 一般的な恋愛系作品とは違い、話の内容は基本ダーク。ですがその作中であるからこそ一縷の光が本√最後の選択肢に集約され、愛と殺人の結末が映えているように感じます。文量は少なくありましたが、キャッチコピーに違わぬ内容に満足いく感想でした。グロ等苦手な方にも「愛と殺人の物語」に惹かれるのであればプレイして欲しい作品のひとつです。

要点まとめ

愛と殺人の物語
ジャンルはシナリオ型ロマンノワール
最後の選択肢が良い
魅力的なキャラ
老若男女問わぬキャラデザ
悪役集いのストーリー

関連作品・情報等

★『スタディ§ステディ2』



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