【レビュー】ニーズに沿った人妻もの『奥さまの回復術』

**ご紹介**

2022年5月27日にアリスソフトから発売された『奥さまの回復術』は、公表通り、ファンタジー世界観を舞台にした人妻もののADVです。本作は純愛編、寝取られ編の2作が同時にリリース。前者はいちゃらぶ、後者は寝取られを軸に苦手な方でも一方のジャンルで楽しめれるよう配慮があります。

2作同時リリースですが、クオリティー的には両作品同程度もの。レビュー点数は変わらないので、まとめてレビュー致しました。

物語は、よくある中世的ファンタジーを舞台にした、魔法やモンスターなどが存在する世界観です。一部の人間には魔力が発現し、魔力回復には異性の体液が必要という設定で、より一層回復には素肌を重ねての快楽が重要。また、キスや愛液を与えるなどは夫婦間での許された行為という貞操観念で物語が開始です。

ヒロインの’瑠衣’は小さな村に住む評判の美人妻。人当りが良く、穏やかな性格の夫’蒼夜’とは関係も良好で、治癒術師として村を支えています。能力は優秀ですが、夫が病弱なこともあり魔力の回復が十分にできず、その力を発揮できていない状況にあり。

子供が欲しいところに純愛編の主人公’獅音’がやってきたことで、’瑠衣’は自分の息子のように可愛がるところはじまるところまでは両ストーリ共通です。テキスト量は双方2時間程度のボリュームでした。

夫のいるヒロイン’瑠衣’ですが、村にやってきた純朴で心優しい青年’獅音’が主人公になります。一人前の魔法が使える成人になるため、性的な意味で大人になる必要がある’獅音’。人妻である’瑠衣’が童貞を卒業させるわけにもいかず、しかしながら、彼女ができるまでという条件で、その準備を進めていくお話になります。

魔力回復という名目の下、’瑠衣’との体液交換（唾液、精液、愛液、母乳等）を行いますが、互いに引かれ合い行為はエスカレート。序盤は手淫程度でしたが口淫やパイズリ、夫婦間でしか行ってはいけない本番などを行う仲に。

純愛編とありますが、客観的に見れば夫のいる’瑠衣’を寝取るお話です。夫の’蒼夜’と主人公との関係は良好。’瑠衣’も夫への好意は変わらず。しかしながらも、不貞行為をしてしまう背徳感がある内容になります。

純愛編での主人公は’獅音’でしたが、寝取られ編での主人公は夫’蒼夜’なります。純愛編主人公の’獅音’が寝取るわけではなく、思惑のある’蒼夜’の父’轟’、村に隠された宝を探す盗賊’邪卑’。その他に間男は村人などになります。

ジャンルのNTRとしては弱い印象。瑠衣の夫の蒼夜の影が薄く、テキスト表現は夫視点の心情系があまり表現されず基本は第三視点のト書きです。

数多くの男たちを関係を持つこととなりますが、治療という名目や凌辱、夫に操を立てようとする点はNTR要素として○。心移りも一部はありますが、その描写は僅かに感じ。比較的快楽堕ちな内容が個人的にはしっくりきます。

また、’瑠衣’が他の男に抱かれ悲嘆にくれるような主人公の描写はなし。例えば、不貞行為を覗き見してしまったというような場面はありませんでした。

明るく優しく献身的。大人の色香を纏うのが本作のメインヒロイン’瑠衣’になります。両作品、夫に対しての心変わりはなく、多少快楽で流されるところがありますが、最後まで操を立てようと努める人妻です。

そのヒロインの夫である’蒼夜’は寝取られるキャラクターとしてはオーソドックス。優男で病弱だが瑠衣をこよなく愛し、引き立て役としては○。純愛編の主人公’獅音’、真っ直ぐで心優しい嫌味のない主人公でした。

間男として、蒼夜の父’轟’は筋骨隆々の元戦士。村人からの信頼は厚いですが、次第に瑠衣を追う目が執拗に。彼女に対して強い思い入れがあるようなそぶりを見せます。もう一方の’邪卑’は飄々とした爽やかなイケメン。下卑た性格でもなく珍しい好印象な寝取り役のキャラクターでした。

基本ビジュアル枚数は各22枚+他カットインCG。Hシーン総数は純愛編が35シーン、寝取られ編が32シーンです。上記の通りCGをリユースしていますが、1作品1,540円のロープライス作品にしてはコスパは◎。1シーンのボリュームには少々欠けますが、BGVはあり。男性CVはありません。回想シーンには収録されていないサービスシーンもあり、実用性としては高く感じます。

純愛編は夫を差し置いた、言うなれば寝取り。男女間のいざこざはなく互いに引かれ合い、「夫がいるのに…」と背徳感が味わえつつも人妻とのイチャラブを楽しめる作品です。

寝取られ編は、ヒロイン瑠衣が状況に流され間男と関係を持ってしまいますが、夫に対しての心変わりはなく、寝取られよりかは快楽落ちに寄った作品でした。こちらの方が凌辱などもあり、前者よりかはハードな内容です。

公表通り、低価格で遊べる人妻ADVとしてはコスパ良しと断言できます。イチャラブ系のみ、ハード系のみで良いというニーズにも応えた販売にもユーザとしては有難い作品でした。