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【レビュー】『ホームメイドスイートピー』

基本情報・ご紹介

製品タグ
タイトル ホームメイドスイートピー
ブランド しるき〜ずこねくと
発売日 2022/9/30
ジャンル ホームメイドADV
原画 Go-1
シナリオ 鬼ごはん
作品傾向 家族愛・絆

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**ご紹介**

2022年9月30日に”しるき~ずこねくと”からリリースされた『ホームメイドスイートピー』。本ブランドは”シルキーズプラス”の姉妹ブランドで本作が処女作となる作品になります。

評価の高いシナリオを提供するブランド系列という点。また、血縁関係のない登場人物が「本当の家族として暮らしていく物語」という謳い文句から、かの超有名作品『家族計画』を彷彿とさせ、非常に期待していた作品でしたが、ポテンシャルは感じたものの決定的な欠点があり、非常に残念だったというのが感想になります。

ヒロイン/サンプルCG

※サンプルCGはFANZAに飛びます
上からサンプル、ヒロイン名/キャスト、キャラ属性、イベント内容
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採点・グラフ

レビューについて

 

採点ジャンル バランス型(シナリオ・キャラ)
ジャンル係数 25:25:20:20:10

採点項目 点数 補正後
テキスト
シナリオ
7/20 8.75/25
キャラ 15/20 18.75/25
ビジュアル 18/20 18/20
エロ 12/20 12/20
演出
システム等
14/20 7/10

総評

**総評点** 64.5点

シナリオ・テキスト

生まれ育った町・皆口町へと戻ってきた’竜胆優征’は、住む家が見つからず困っていた。そんな中、失踪した母親を探していた少女・’菜ノ花’と出会い。お互い何も見つからず途方に暮れていると、’白菊’と名乗るメイドさんに声をかけられる。

彼女はシェアハウス・バーベナ荘を営み、入居者を募集していた。
ちょうど願ってもない話だと思い、2人は入居を決意する。
それから、さらに3人の入居者がやってくることに。

隣町の駅前で出会った家出少女・’栞’。居酒屋で出会った飲んだくれの女性・’さくら’。空腹で行き倒れていた元売れっ子小説家・’牡丹’。

そして住人達には“家族がいない”という共通点があり、彼女たちは’優征’にそれぞれ失った関係性を求めていて――。

私たちは、生まれや関係性も違うかもしれません。
ですが皆さんには『本当の家族』になってほしい。
それがわたしの――’白菊’の願いです。
こうして彼らの偽りのない本当の家族生活が始まるのだった。

要約するとバーベナ荘を舞台にした共同生活――疑似家族のお話になります。名作『家族計画』と違う点は、主人公’優征’に求める関係性がヒロインそれぞれ違う点です。

公式サイトからは’菜乃花’は父親。’栞’は兄。’さくら’は弟。そして’白菊’は理想の主人像を求めており(’牡丹’は非公開。上記から予想はつきますが)、その関係性をコンセプトに各ヒロイン√掘り下げる内容になります。

様々な事情を抱えるヒロインたちとの出会いは、終盤の物語の展開に期待を持たせました。’白菊’を除き、メインヒロイン皆暗い過去を持っている点は共通し、どのような温もりある展開になるのか。

攻略順は’白菊’最後にと固定され、また絆を題材にした物語はシナリオゲーを更に匂わせ、好青年な主人公に対しても非常に好感話の掴みとしては非常に良かった序盤でした。

しかし、中盤以降のテキスト量は圧倒的に少なすぎます。シナリオ性を増すためにいろいろな演出で工夫を凝らしていますが、どれもシナリオ風止まりで感動に欠けます。それもこれも原因はテキスト不足。没入する前に、作品に集中する前に物語が完結するため、どのお話も感情移入できませんでした。

具体的には各ヒロイン√は1時間もない程度。暗い過去との決別であったり、家族愛であったりと取り上げる作品としての最低のテキスト量を満たしていません。総プレイ時間は5ヒロインで6時間程度。ルート確定してから各シナリオは1時間も満たず、制作側の企画力に疑問です。

キャラ

夜のコンビニ前で出会った迷子の女の子’菜ノ花’は、元気いっぱいでクラスで孤立気味の子へも気配りと出来たとてもいい子な印象です。’菜ノ花’とクラスメイトとのやり取りも微笑ましく庇護欲が掻き立てられ、「お父さん、お父さん」と慕うも不意に敬語になる描写が、やはり血縁者とはちがう壁を感じ、モヤモヤと揺さぶられました。

隣町の駅前で出会った家出少女、’栞’は金髪のツーサイドアップのヒロインです。共同生活開始当初、距離を感じ、金髪に染めた見た目とは裏腹に少し控えめな性格。次第に主人公に心を許し、敬称が「お兄さん」から「お兄ちゃん」へ展開する過程は良いキャラクター。

公私がはっきり分かれているお姉さん系の’さくら’は、仕事ではテキパキし、その逆プライベートでは自堕落なヒロインです。主人公にはくっつき、寝ぼけて甘えとギャップが魅力的でした。

お下げに編んだ髪が特徴の’牡丹’は、食いしん坊キャラクター兼小説家。大食漢ということもあり、ご飯をおいしく食べる描写に顔が綻ぶおとなしいキャラクター。基本部屋に引きこもり、原稿と睨めっこしているので共同生活中は接点が少なく、本作内’白菊’の次に謎のヒロインです。

トリを務めるバーベナ荘の管理人兼メイドさんの’白菊’は、理想のメイド像を地で行くヒロインです。口調は丁寧で常に優しい笑顔をたやさず、怒るときは怒る。しっかりした性格の持ち主でした。

どのヒロインたちも序盤は魅力的です。徐々に仲良くなるであろうと雰囲気をテキストから感じ、例えば敬称が変わったり、はたまた出会った当初から仲睦まじかったりと心温まるお話でしたが、肉体関係になる過程は最速。各√エンディングも超ダッシュと、感情移入・作品への没入前にストーリーが終わった点は見過ごせませんでした。

ビジュアル/エロ

基本ビジュアル枚数は88枚。各ヒロインのHシーンはHCGごとに回想できる仕様で、’菜ノ花’・’栞’は5、’牡丹’・’白菊’は6、’さくら’は7シーンの計29シーン29HCGになります。

前述の通りシナリオ量が少ない訳ですが、Hシーンの導入にも影響しています。例に挙げるなら’菜ノ花’√の場合、いきなり主人公に対しての恋心が芽吹き、Hを強請りと展開が急。主人公視点では実の娘として接していた点もあり、エロゲなので仕方が無いながらエロが要らない印象。急転をどうにかできれば違和感はなかったかもしれません。

‘栞’√の場合では勉強を主人公がみるという一場面、ひと段落就いたところで、積極的でないヒロインが「こっちの勉強も必要だよね」の保健体育開始と少々強引で、これらはどのルートでも散見されました。

システム・演出

演出に関してはシナリオゲーを意識してか、テキスト表現を変えたり、アイキャッチに登場人物に模した人形が主人公を中心に集まったり消えたり。Hシーンではヒロインの吐息をアニメーションで表現したり、比較的演出面は細かい印象でした。

総括

掴みと序盤は非常に良かったものの、その勢いに乗れず中盤以降は完全に失速したのが感想になります。それも原因はテキスト不足。各ヒロインを掘り下げる個別ルートは1時間も満たないシナリオ量は残念で仕方がありません。

このテキスト量不足が様々なところで悪い方向に作用しています。1つは感動しない。’白菊’ルートを最後にと固定し、また全体的涙を誘うような内容でしたが、どれも短すぎるが故に涙は流れず、感動風に終わってしまったのが1点。

2つ目に肉体関係になるまでの過程や、Hの導入が極めて下手です。父兄弟像を主人公に重ねるヒロインたちですが平気でHに誘います。本作が抜きゲ―のジャンルなら気にならないところ、いきなり好きと言ったりHしたりと、シナリオ的に感動を誘うようなシナリオなので、家族から恋人への描写。はたまた、恋人でも家族でもない昇華した関係ならその描写は描いてほしいかったです。

結論、ストーリーが短すぎるが上に感動的シナリオがチープに感じたのは非常に残念。丁寧に掘り下げさえすれば感動する作品になりえたお話だっただけに勿体ない。予算的にテキスト量を確保できないのであれば、ヒロインの数を削減するなど出来たのではと、最低限の個別ルートのシナリオ量は欲しい内容になります。

要点まとめ

シナリオ量が少なくシナリオ風に終わってしまった作品
5ヒロイン6時間ない程度
駆け足過ぎたためどれもイマイチ

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