基本情報・ご紹介
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タイトル | 源平繚乱絵巻-GIKEI- |
ブランド | インレ |
発売日 | 2021/3/26 |
ジャンル | 平安豪勇列伝 |
原画 | ぬい / ひっさつくん |
シナリオ | 葉山こよーて |
作品傾向 | ファンタジー / 歴史・時代 |
**ご紹介**
2021年3月26日に”インレ“から発売された『源平繚乱絵巻-GIKEI-』は史実をモチーフにした物語で、今回は「源義経」にスポットを当てた内容です。インレの史実過去作の『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』『ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-』は評価高く、自然と本作も期待される作品です。
前二作『MIBURO』と『ChuSingura46+1』では主人公は端役なポジションでしたが、本作では主人公が義経となって立ち回るので、中心的に振る舞うところが大きく違うところです。
ヒロイン/サンプルCG
※サンプルCGはFANZAに飛びます
上からサンプル、ヒロイン名/キャスト、キャラ属性、イベント内容
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採点・グラフ
採点ジャンル シナリオ型
ジャンル係数 35:20:20:10:15
採点項目 | 点数 | 補正後 |
テキスト シナリオ |
17/20 | 29.75/35 |
キャラ | 17/20 | 17/20 |
ビジュアル | 18/20 | 18/20 |
エロ | 7/20 | 3.5/10 |
演出 システム等 |
18/20 | 13.5/15 |
総評
**総評点** 81.75点
シナリオ
平家の力が絶頂の平安時代後期に、主人公の’叶納 世志常’とその妹’叶納 楼子’、幼馴染の’御桶代 紫都香’ がタイムスリップ。果たして元の世界に戻れることができるのかというお話です。主人公’世志常’は「源義経」となって時代を立ち回り、史実をなぞらえるような物語は前作と共通。違いは主人公のポジションがより歴史上中心的立場にいるところです。
全3章のシナリオ構成で、義経の史実→異説(1章と違う諸説)→”インレ“のオリジナルと物語を進め、プレイ時間は40時間近くとボリュームのあるテキスト量でした。イベントを端的に区切るテキスト運びは読みやすく、最後までスラスラと読めた文章です。
雰囲気にそぐわないコメディがありましたが、読み飽きないように、歴史的雑学やラブコメ展開を織り交ぜ、テンポが一定にならないような工夫はありました。レディーファーストの起源であったり、納豆の語源など知識を得る楽しさのある作品は”インレ”ならではに思います。
歴史上人物など固有名詞が非常に多く、前知識も江戸時代と比べて少ないので、内容的には”インレ“の歴史ものの中で一番難しく感じました。作中は勿論のことながら補足説明はありますが、個人的にはスマホ片手に調べながら読み進め、少々煩雑かもしれません(調べずともシナリオは平易です)。
物語の展開自体は面白いながらも、本作では感情を揺さぶるような感動さは少なく感じ、主人公に同情得なかったです。キャラの深掘りまでは手が回っておらず、再開や別離など感動的なシーンも心に響きませんでした。主人公目線から物語を見るのではなく、俯瞰して楽しむが吉です。
ほか、前作踏襲してのバトル演出は、手間が掛けられています。ふんだんに立ち絵を動かかし、視覚的に戦闘描写は流れ、退屈に感じる説明戦闘描写は極力避けております。平安時代の主な戦闘は弓とのことで、強敵との白熱した剣戟は前作と比べると見衰えはあり。
総じて、ばったばった敵を斬るような戦闘は少なく、アツく燃えるような展開も縮小気味。代わりに戦術的に史実「源義経」がどのように立ち回ったかが窺える戦闘シーンでした。
キャラ
主人公の能天気さ、感情的で思慮浅いところが目に移り、かっこいい主人公像とは違い個人的には好ましくはありませんでした。シナリオ自体が史実・諸説に沿っての物語なので、主人公の行動が制限されるのは理解出来ますが、当初の目的を忘れているような節も序盤にあり、場当たり的な行動などヒーロー像にはほど遠く少し残念です。
そんな危機的原因をつくる主人公の行動に、彼についていく家臣にシワ寄せがき、主人公が後悔・悲嘆する描写は無能さが目立ち、それが霞むような爽快大逆転劇というようなカッコよさを感じなかったところが本作のマイナスポイントに思います。
主人公に変わり、メインヒロインの’紫都香”楼子’、彼に傅く家臣などは非常に優秀です。そんな主人公に対し彼を導き、また忠義を貫き通す姿は見るも惚れ惚れ。攻略キャラがメインの2人だけで残念なくらい、主人公を取り巻くキャラクターは良かったです。
ビジュアル/エロ
基本ビジュアル枚数は94枚、内SDは1枚。マスターアップなどの催促用に用意されたCGが2枚用意され、収録は計96枚。登場人物多く、立ち絵のことを考慮するとボリュームはあります。
サービスシーンは各ヒロイン2シーンずつ(1シーン3HCG)+3P1シーン(4HCG)の計5シーンとこちらはエロゲとしてはかなり少なめ。ラッキースケベ的イベントに何枚かありますが実用性のあるものではありませんでした。こういったイベントは中途半端感が拭えず、実用性イベントを増やすか、物語の重要イベントにCGを割くかが良いように思います。
総括
史実・通説に沿うあまり、主人公が窮屈。よって魅力ない「ヨシツネ」だけが残念。各章魅力あふれる場面があれば救われそうなところですが、見せ場はあるもののマイナスを払拭できてないように感じました。しかしながら、“インレ”の史実をモチーフにしたADV作品は唯一。エロゲに落とし込んだシナリオとボリュームは良点。読み易いという点だけでも優れ、他社作品と比べても良作です。
源義経をモチーフにした歴史・時代物
テキスト量はボリューム大