基本情報・ご紹介
製品タグ | — |
タイトル | 蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2 |
ブランド | sprite |
発売日 | 2022/5/27 |
ジャンル | FILMIC NOVEL |
原画 | 鈴森 |
シナリオ | 渡辺僚一 |
作品傾向 | 学園もの / 成長譚 / 戦記・バトル |
**ご紹介**
数々のメディアミックスされた”sprite”の『蒼の彼方のフォーリズム』。初版は2014年に発売されながらも、2017年には’真白’のアフターストーリー『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1』が発売。今なお人気の絶えない印象のシリーズ作品です。
その一ヒロイン’鳶沢みさき’にスポットを当てたアフターストーリーが本作の『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2』。「ストーリーを減らさないで欲しい」というファンの要望からクオリティに注力され、価格はフルプラの形となりました。
ストーリーは、架空スポーツ ‘フライングサーカス’(空を飛ぶ競技、以下FC)を通してのヒロインの心情・FCのバトルを描いたスポ根になります。前作の’みさき’√後を描いた内容なので『蒼の彼方のフォーリズム』はプレイ必須になります。
公式ジャンル「FILMIC NOVEL」は、ストーリー・ビジュアル・音楽を融合させた映画的な演出を謳っており、公表の通りシナリオゲー。見どころは何といってもFCのバトル演出。スクリプト周りは秀逸と言っても間違いないでしょう。
ヒロイン/サンプルCG
※サンプルCGはFANZAに飛びます
上からサンプル、ヒロイン名/キャスト、キャラ属性、イベント内容
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採点・グラフ
採点ジャンル シナリオ型
ジャンル係数 35:20:20:10:15
採点項目 | 点数 | 補正後 |
テキスト シナリオ |
16/20 | 28/35 |
キャラ | 20/20 | 20/20 |
ビジュアル | 30/20 | 20/20 |
エロ | 8/20 | 4/10 |
演出 システム等 |
25/20 | 15/15 |

総評
**総評点** 87点
キャラ20点以上 / ビジュアル20点以上 / 演出・システム等20点以上
シナリオ/システム等
FCという架空スポーツを通して、ヒロイン’鳶沢みさき’の心情と、この空飛ぶ競技のバトル描写が本作の内容になります。物語の導入は彼女のザッピングから。一波乱ありそうな予感を醸し出し、心情描写のみでのストーリーはダレやすいところを、適宜熱いバトル演出でテンポをカバー。シナリオ性が良い印象を与えた本作のテキスト量は7時間強。テキスト量は物足りなさが残りましたが、代わりに演出面では目を見張るところがありました。
まず、ヒロインの心情描写について。FCという競技にどう向き合っていくべきなのかという悩みが部活に打ち込む青春にもリンクし、理解しやすく共感を得やすい点は良点です。
紐解くと誰もが経験するであろう挫折や苦悩。物事に真剣に向き合いたいけれども向き合えない矛盾した感情は一度は持ったことがあるのではないでしょうか。苦悩する描写は物語のテンポを悪くする反面、この暗い心情はシンパシーを与え没入感があります。
心情系描写のみではテンポが悪くなってしまう点を補うところに、FC競技の熱いバトルがあり、個人的には本作一番の見どころになります。ボーカル曲はここぞと流れ、盛り上がりを演出。序盤キャラゲーか判断難しかったですが、終盤に向けての盛り上がりは非常に楽しかった感想でした。
FCという競技スポーツは、まだ戦術的も未発達なところがあり、これといったセオリーがないところが焦点でもあります。新しい戦術が生まれたり、ご都合主義といえば捉えれるかもしれません。しかし、バトル描写が面白いので個人的には気になりませんでした。
架空スポーツということで、退屈な説明描写もビジュアル面でカバー。わかりやすく図解を用いたり、イベントCGの多用など注意を払ってところも汲み取れ、演出面にはマンパワーを感じます。
ボーカル曲は全5曲。バトルイベントCGも豊富でシナリオゲー仕様。空を飛んでいるようなCGフェードはどのエロゲにもないクオリティ誇っているように感じます。
キャラ
掴みどころのない飄々とした気分屋がヒロインの’鳶沢みさき’になります。苦労なく卒なく何でもこなす’みさき’がFCに出会い、いろいろな感情を抱くこととなります。どこか本気で打ち込めない器用貧乏な彼女。喜怒哀楽の表現が豊かで本作内で一番リアルな人間らしいヒロインです。
上記のように感情的に訴えかけるシナリオ。人並みの悩みを抱えたヒロインはどこか親近感が湧き、キャラゲー的仕草からてはなく、シナリオから好きになれるタイプのヒロインです。
メインは’みさき’になりますが、同部活の先輩部長、サブキャラの’紫苑’にもスポットが当てられています。前哨としてではありますが、戦闘スタイルの違う’紫苑’のFCバトルもアツさを感じ見どころはありました。
ビジュアル/エロ
基本ビジュアル枚数は109枚+α。このαはFCバトルCGで回想から枚数は数えられませんでした。前作『蒼かな』のCGをリユースしているところもあり、正確な新規イベントCG枚数は述べられませんが、考慮しても価格に対してのボリュームは非常に多いです。
サービスシーンは全3カット。初代『蒼かな』がメインヒロイン4人×2or3シーンにだったのに対しこちらはかなり控えめです。フルプライスエロゲとしてはもう少し注力して頂きたかった内容。良し素材な分、勿体ない感は否めません。
総括
テキスト量は少。シナリオ性は高。ビジュアルは神。実用性は低。演出秀。といった感じです。ヒロイン’みさき’の心情表現よりバトルシーンが面白くありました。上記の通り初代『蒼かな』はプレイ必須です。
本作が「ex2」で次回作に期待できるでしょうが、ヒロインによって購入は検討。スピンオフでヒロインが’佐藤院’・’乾’なら購入いたしますが、メインの’莉佳’・’明日香’なら見送り程度の満足具合でした。
ヒロインの心情
FCバトルの描写
演出の良い作品
バトル演出は秀逸